羽毛布団を洗濯することで、せっかくのふんわり感が失われてしまうのではないかと思うと洗うのをためらってしまいますね。実は、正しい方法であれば羽毛布団は洗濯できます。そこで、羽毛布団の洗濯方法を、自宅、コインランドリー、宅配クリーニングに分け、費用面と手間(負担)面で比較します。
羽毛布団の洗濯頻度は半年に一度が目安、事前に洗濯表示を確認
布団は毎晩使うものですから当然汚れてしまいます。しかし、羽毛は非常にデリケートな素材のため、洗濯方法を間違えてしまうと羽毛がつぶれてしまうこともあり、羽毛布団を長く使うためにはあまり頻繁に洗うのはおすすめできません。カバーをこまめにとりかえ、時々日陰干しなどを行って手入れをしておけばある程度清潔に保てます。
洗濯の頻度は半年に一度
羽毛布団の丸洗いは2~3年に一度程度でも十分と言われています。ただ、長期間収納する場合には、布団についた汚れからカビやダニが発生してしまわないかも気になります。ですので季節の変わり目である半年に一度の頻度で洗濯するのがいいでしょう。
タグで洗濯表示を確認
羽毛布団には家庭用洗濯機で洗濯できるものとそうでないものがあります。洗濯機で洗えるかどうかは、羽毛布団についている「洗濯表示」で確認できます。洗濯表示は2016年12月1日に改定され、新・洗濯表示の場合には「洗濯おけ」や「手洗い」の記号がつけられていると洗濯機で洗えます。従来のものであれば「洗濯機」マークや「手洗い」マークがついてれば自宅で洗えると考えましょう。
一方で新・洗濯表示や従来の絵表示の「洗濯おけ」マークにバツ印がついていると自宅では洗えません。さらに「ドライ」マークがついている場合も、自宅での洗濯は不可能ですのでドライクリーニングに出す必要があります。
また、縫い目のない「ノンキルト」の羽毛布団は、中の羽根が偏ってしまい、ふんわり感が失われることも考えられます。しかし、羽毛布団を洗濯せずに使い続けるのは、衛生面においても気になります。人は寝ている間にコップ一杯の汗をかくと言われていますので、何とか布団を清潔に保ちたいものです。では、羽毛布団を洗濯するにはどんな方法があるのでしょうか。
【自宅で丸洗い】手間はかかるがコストが抑えられる
自宅で羽毛布団を洗濯する方法は、家庭用洗濯機とお風呂場の浴槽の2つです。布団が洗濯機に入らない場合やダブルサイズの布団を洗う場合は浴槽で行います。
家庭用洗濯機で洗う
家庭用洗濯機で羽毛布団を洗う際には、まず洗濯機に羽毛布団が入るかどうか確認します。7~8kgの洗濯機であればシングルサイズ1枚が入る大きさです。洗濯ネットに入れる前には汚れがないかあらかじめ確認します。もし、気になる汚れがある場合にはその部分を手洗いしておきましょう。
1.布団をくるくる巻いて空気を抜く
布団を盾に細長く3つ折りにし、布団の空気を抜きながら端からくるくると巻いていきます。2.コースを選んで中性洗剤を投入
「ふとん洗いコース」で洗濯をします。ふとん洗いコースがない場合は、洗濯機の取扱説明書を見て羽毛布団に合ったコースを選び、洗剤はおしゃれ着用の中性洗剤を使います。
3.脱水後は羽毛を均等に広げる
脱水後は羽毛が偏りがちですので、布団の四隅を持って上下に軽く振っておきます。
4.風通しのよい日陰に干す
脱水後の乾燥はしっかりと行うことでカビやダニの繁殖を防げます。何度か裏返し、両面しっかりと乾燥させることが重要です。
お風呂場の浴槽で洗う
洗濯機で洗う以外に、お風呂場の浴槽を使って踏み洗いする方法があります。洗濯機と違い、布団から出る汚れが目で見える洗い方ですので、どれくらい汚れていたのかがよくわかります。
1.浴槽にぬるま湯を張り、洗剤投入
浴槽に15~20センチ程度のぬるま湯をため、その中に中性洗剤を投入してよく混ぜます。分量はキャップ一杯程度で十分。2.踏み洗いする
羽毛布団の空気を抜いて足で踏んで洗っていきます。水が汚れてきたら新しく水を張りかえて同じように踏みます。これを2~3回行います。
3.水気を切る
浴槽のふちに布団をかけて1時間ほど水気を切ります。洗ったことでかさが減り、脱水機に入るようになればネットに入れて脱水します。
4.風通しのよい日陰に干す
物干し竿2本をまたぐように干すと、より風が通るので早く乾きます。
乾燥させた後に羽毛の偏りがみられることがありますので、布団全体を手でほぐしておきます。家庭用布団乾燥機があれば1時間ほど使用することでふっくらとした仕上がりになります。
羽毛布団を自宅で洗濯する際の注意点には、乾燥時に素早く中までしっかりと乾燥させることがあげられます。
自宅で羽毛布団を洗うメリットとデメリット
羽毛布団を自宅で洗う最大のメリットはコストがかからないことです。薄手のものや子ども用のサイズが小さなものは乾きも早く、家庭でも洗うことが出来ます。しかし、通常のサイズの布団は乾くまでにかなりの時間がかかります。
乾燥が不十分だと臭いの原因にもなりますので、中までしっかりと乾かす必要がありますが、天気のいい日が何日も続くかどうかの判断は難しいですね。また、浴槽で洗った布団を脱水機に入れるまでは大変です。水を吸った布団の重さはかなりのもので、水が滴り床は濡れるしで、コストがかからない分重労働でもあります。
【コインランドリーで洗う】大型乾燥機を使えるも持ち運びには車が必要
自宅の洗濯機が小さくて布団が入らない時や、自宅での乾燥が不十分な場合には、コインランドリーを利用する方法があります。
コインランドリーで羽毛布団を洗う際には、洗濯槽の大きさにもよりますが、単独で洗うより、3枚くらい一緒に洗った方が脱水時にバランスがとれます。自宅で洗うときと同様、布団を小さくくるくると巻いて洗濯槽に入れて下さい。この時も洗剤はおしゃれ着用のものを使うとふんわりと仕上がります。
乾燥の際にはテニスボール2個を乾燥機に入れておくと、回転中にテニスボールが羽毛布団をポンポンと叩いてほぐしてくれる効果があるのでふわふわに仕上がります。
コインランドリーの乾燥機は途中で開け閉めが可能なので、10~15分おきに止めて布団をひっくり返すと乾燥ムラが防げます。最後の数分は、一度乾燥機から布団を取り出して広げてみます。乾きが不十分な箇所があればその部分が重ならないように乾燥機に戻して乾燥させます。
また、コインランドリーから持ち帰ったら、部屋の風通しの良い場所に羽毛布団を広げて、熱に含まれているこもった湿気を逃がしましょう。少々手間はかかりますが、これらを行うと、乾燥後の布団の仕上がり具合が格段に変わります。
コインランドリーで羽毛布団を洗うメリットとデメリット
コインランドリーで羽毛布団を洗濯する最大のメリットは乾燥機が使用できることです。乾燥機を使用することで自宅で乾燥させるよりもふっくらと仕上がります。また、ダニは50℃以上の熱を20~30分以上与えると死滅しますので、乾燥機の高熱はダニの撃退にも効果的です。
コインランドリーでは大型の洗濯機が利用できますので、同時に何枚もの布団が洗えます。そのため、家族が多い場合には洗濯にかかる時間が大幅に短縮できます。そのほかにも乾燥機を使用すれば乾燥させるスペースも必要ないので、1日で家族分の羽毛布団の洗濯が可能。
デメリットは1枚につき1,000円程度のコストがかかること。家族分を洗濯するとなると3,000~4,000円の料金が発生します。また、コインランドリーで洗濯するには、まず大きな布団を持ち込む必要があります。車がない家庭には不向きであると言えるでしょう。
さらに、洗濯機と乾燥機が分かれているタイプのコインランドリーだと、洗濯が終わる時間に再度コインランドリーを訪れ、洗濯機から乾燥機に入れ替える必要があり、手間がかかるのも難点です。洗濯にかかる時間はどの店舗でもだいたい30分であり、羽毛布団を乾燥にかける時間の目安は50分程かかります。
【宅配クリーニングに依頼】コストはかかるが引取り、配送全てお任せ
自宅で洗濯できない場合や、コインランドリーに布団を持ち込めないという場合には宅配クリーニングを利用する方法もあります。宅配クリーニングというのは普通のクリーニングと違い、店舗に洗濯物を持ち込む必要がありません。事前に申し込んでおくと自宅まで引き取り来てくれ、洗いあがった羽毛布団を届けてくれるサービスです。
電話やインターネットで申し込みを行い、梱包キットが送られてきたらその中に布団を詰めるだけで、クリーニングが完了します。申し込みも24時間受け付けてくれるお店が多く、コンビニから配送もできますので仕事などで忙しく時間が取りづらい人にも便利です。
受け取りの時間も選べるため、忙しく時間がない人にとっても便利なサービスです。宅配クリーニングの仕上がりにかかる時間はだいたい10日と考えておいて下さい。
宅配クリーニングに依頼するメリットとデメリット
宅配クリーニングは自宅での洗濯やコインランドリーに比べると料金がかかってしまうのがデメリットです。店によって異なりますが、羽毛布団1枚当たりの料金は平均で6,000円前後。元々の値段が安くはない羽毛布団、失敗しない方法としてクリーニング店にお任せするのも賢い方法と言えるでしょう。
宅配クリーニングのメリットは簡単に羽毛布団が洗濯できることのほかに、プロによる洗濯が受けられるといった点にあります。汚れの状態に合った方法で、特別な洗剤を使用して洗濯してもらえますので、抗菌や防臭処理も期待できます。オプションで防ダニ加工ができる場合もありますので、長期の保管にも安心。また、羽毛布団のみを出す「羽毛布団専用コース」があるお店もあり、通常の布団を丸洗いするコースよりお得に出すことができます。
まとめ
- 自宅での洗濯は、手間はかかるが一番コストがかからない
- コインランドリーは大型乾燥機でふわふわになるが、持ち運びが大変
- 宅配クリーニングはコストはかかるが手間はかからず失敗もない
軽くて暖かい羽毛布団は、快適な眠りには欠かせません。そのためには布団カバーをこまめに洗い、週に一度くらい干してあげるのが理想的。羽毛布団は半年に一度洗えば十分です。コストを抑えるのであれば家庭の洗濯機や浴槽で、コインランドリーも手間はかかりますが、金額はさほどかかりません。
宅配クリーニングは金額は張りますが、防ダニ加工や抗菌加工もしてもらるし、来シーズンまで保管してくれるサービスがある業者もあり、メリットもたくさん。中でもふとんリネットは4点まとめて洗濯すれば1万4,800円と、家族分をまとめて洗濯するにはとてもお得なサービスがあります。
1枚当たり3,000円台でふかふかの羽毛布団が復活すると思えば検討の余地は十分あると思います。実際にリネットに羽毛布団を出した感想を正直に述べていますので、参考にしてみてください。
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